楽曲紹介

1. 深紅の薔薇にくちづけを

以前参加させていただいたコンピレーションアルバム『ボカジャズ vol.3』用に書き下ろした曲で、当時ボカロは「巡音ルカv2」を使用していましたが、今回「巡音ルカV4x」で新たに作り直しました。

この曲はどのオリジナルアルバムにも収録していなかったのでずっと収録したかったのですが、「それならいっそ全曲ビッグバンドのアルバムを作っちゃえ!」…というのが、このアルバムを作ったきっかけです。

ジャズの名曲『Sing Sing Sing』をイメージしたハードなドラムスと、退廃的なホーンセクション、そしてやさぐれルカ様のボーカルがこの曲のポイント。
特にボーカルは気合いを入れて「ボカロらしさ」と「ヒトっぽさ」を両立させるようにプログラミングしてみました。


2. 君だけの魔法

『マジカルミライ2019』楽曲コンテスト応募曲です。ちなみにコンテストは見事落選しました。
そりゃそうです、優勝特典が「初音ミクのライブで演奏される」で、ライブでこんなビッグバンド曲を演奏するのも無理でしょうし、そもそも初音ミクでもないし。

愛して止まないジャズの名曲への敬意を込めて作った曲で、「イントロは***で、メイン部分のリズムは***で・・」みたいな作りになってます。(お分かりかと思いますが、私はマイルス・デイヴィスとジョン・コルトレーンを敬愛して止みません)

近頃のポップ・ミュージックみたいなメロディや構成などが昔作った『BlueBird』に近いコンセプトですが、サウンド自体はアート・ブレイキーやバディ・リッチのオーケストラを意識したハードめのサウンドにしてみました。


3. 北山ムーンライト

Baguettes Ensembleの いち君 と制作したCD『いちくわCD Vol.4』用に書き下ろした曲で、オリジナルは歌い手のMayさんに歌っていただいてました。
それから、今年の1月に「巡音ルカ10周年記念」としてEPを発表した曲です。

ものすごーく気に入ってて、自分の最高傑作だと思っています。

昭和歌謡の香りプンプンのスロージャズで、一番大好きな場所・京都市北部にある「北山」の黄昏の風景をモチーフにしました。
EPのバージョンとの違いは、ピアノソロがテナーサックスソロに変わったくらいなんですが、全体的にサウンドを見直しています。


4. Strayhorn's Sentimental Rag

聴けば誰でも知ってる、あの有名ジャズ曲へのリスペクト曲で、”Strayhorn” とはもちろん尊敬して止まない デューク・エリントン の右腕で、ジャズの名曲『A列車でゆこう』の作曲家 ビリー・ストレイホーン のことです。

元々は20代の頃に作った曲でしたが、アレンジが上手くいかず放置してました。
そこで今回、曲を選んでいる時に何となく引っぱり出してきてみたらビッグバンドにピッタリだったのと、他の曲とは少し毛色が違うのでアルバムに緩急をつける意味で選んでみました。

アレンジはラグタイムっぽく、ドラムスも8ビートっぽいし、ジャズオーケストラというよりもスティーヴィ・ワンダーっぽいサウンドになっちゃったかも。


5. Catch me

Sasakama Studio作品を聴かれる方にはお馴染みの曲で、相棒(奥さま)であるボカロP・ぱんだっちの曲のカバーです。
元はソウルテイストのポップソングですが、ゴージャスめのジャズオーケストラにアレンジしてみました。

このアルバムは楽曲ごとに色んなオーケストラのサウンドを取り入れて一辺倒にならないようにしているのですが、この曲はジャズオーケストラの王道・カウントベイシー楽団のサウンドを意識しています。


6. 恋するモダンガール

TR.3『北山ムーンライト』のEPのカップリング曲として作った曲です。
京都をテーマにした曲に対してこちらは東京をイメージした曲ですが、時代が少し違って「モダンガール」と呼ばれる女性が活躍していた頃…明治くらい?でしょうかね。※ サウンドの時代とはマッチしていません

「ドドンパ」と呼ばれる、日本独自のラテンジャズのリズムを使用した曲です。
ドラムスの ぱんだっち に、レコーディング時に突然「この曲はドドンパでよろしこー」ってリクエストしたら、「ほいよー」って感じでサクッと演奏してくれて驚きました。
一体「ドドンパ」なんかどこで練習してたんでしょうね・・?


7. Sing For You

TR.2『君だけの魔法』がマジミラのコンテストで見事落選してガッカリしていた時に、「落ち込むよりも次の曲を作ろう!」と作ったので、『君だけの魔法』と対になる‥続編的な楽曲です。

珍しくギターで作った曲で(普段はキーボードで作ってます)、確かソロギターの練習をしていた時に何となく弾いていたメロディが軸になっています。
目まぐるしく変化するリズムと、隙間を埋めるブレイクの山、そして唐突に始まるロックビート・・ビッグバンドの魅力を存分に詰め込んだ楽曲になっています。


8. ハッピィデイズ

アルバム唯一のジャズ・ワルツ(三拍子)で、今から15年ほど前に作った曲です。
元のアレンジはもっさりしたオルガンジャズだったんですが、機材(と自分)の進化によってジャズオーケストラ・アレンジにすることができました。

歌詞を書き始めた時は「犬との二人暮らし」をテーマに描き始めたんですが、気が付くと同棲(or 新婚)カップルの歌詞になっていました。
リア充な歌ですけど、とっても気に入っているので、嫌いになったり爆発させたりしないであげてください。。



(C)2019 Chiquewa - Sasakama Studio